石の森/三浦綾子

2017/08/10 07:08
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三浦綾子の世界感は他の何にも変えられないな。文章力がすごく高いわけではないはずなのに(実際不要の表現はポロポロあるが)繊細な少女の心の揺れ動きを事細かく的確に言い当ててる。
私もね、心身ともにかわいかった少女の頃があったのですよ。その時こんなこと考えたなぁって。

少女の世界は狭い。
家族、学校、友達、好きな男性
せいぜいこのくらい。ここで重要なのは意外と「自分」が入っていないこと。みんなと仲良く浮かないようにするのに一生懸命で、本当の自分が確立するののは時間がかかるのです。
そのどれか一つでも均衡が崩れると居場所がなくなって、居場所がなくなると自分もなくなるに等しい。自分の居場所はここだけじゃないと知るのはずっと先だから。

大人になっても家族って大切な存在だけど、その家族が自分の知らない世界があるってすぐには受け入れ難い。とくに芳しくない秘密は。
親にも過去があると、頭では分かってても気持ちが納得してない部分がある。

こういう思春期のぐらつきが全て文字で記されているので、この本を読んでいる間だけ私も10代の繊細な気持ちをぐいぐい引き戻されました。
あの頃死ぬほど辛いと思っていたことは、今は全てがアホみたいだ
年をとると経験が増えて、ちょっとやそっとのことでは動じなくなるし卓越できる。意外と悪くないのです。


少女の世界は狭い。

だからひとつがダメになると人生の全てがダメになったような気がして。

自分の汚れのない人生に墨で一滴の黒い染みがついてその汚いものは一生ついて回る汚点のように思えて。

しかし今なら分かる。

経験や知識を積み重ねる綺麗な人生など理想論。

実際には人生は
悔いと恥辱のミルフィーユ


情けない思い出ばっかりですよ!
せめて同じ失敗を繰り返すまいとするだけの毎日だ。


ここでダメならよそに行けばいい。
これがダメなら別なのことをすればいい。能力によって人生を選べるのが人間だ。
学校の友達の九分九厘は卒業したら二度と合わない。所詮最大小学校の6年間の付き合いよ。



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