チッチと子/石田衣良

2017/04/04 07:05
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4年前に読んだときに大変感銘を受けたし、石田衣良を初めて面白いと思えた作品なので、文庫で買い直してきました。
そして改めて読んでもやっぱりいい作品。

初回は主人公であるチッチの心理描写にやはり重点を置いていましたが(自分で自分のブログを読んだ)、今回はゆったりと、だけど確実に流れていく時間の中にカケルのチッチへの愛情と心配をすごく感じられた。

世の中には親子関係を主従関係(親が主)と勘違いしている人が多い気がしますが、実際には対等な関係であると私は思うのです。だって親だって親になるのは初めてなんだから(とかいうと、「いやうちは二人目だし」と屁理屈をいう人がいますが、”二人目の親””三人目の親”になるのは初めてなわけで、一人目の親と二人目の親、一人っ子の親と2人兄弟の親はやはり感覚が違うと思うのです)
子供は社会経験が少ないから知識が不足しているのは当然で、そこは手助けするのは当たりまでであって(これは相手が赤の他人の大人であっても手助けするのが人間として普通だと思う)、基本的には一緒に生活を成り立たせる協力者、それが家族であり親子だと思う。だって子供がいい子でいようとすることは子供本人の努力なのだから、子供にも苦労や気遣いがあることを忘れてはいけない。

ママッチがなくなっていることもあって普通の子よりもさらに負荷がかかっているカケル、そういう子に愚痴を言ったり泣き言を言ったりするチッチって私は好きです。
素直に子供を頼っているし、頼られているって子供も嬉しいものです。

私は今のところ心身共に親しい人を亡くしたことが一度もない。両親も健在だし。祖父母はまた立場が違うと思うので(おじいちゃん子、おばあちゃん子の人はまた別です)
だから奥さんを亡くしたチッチの
「あまりに申告なショックは軽い」
「忘れられないのではなく相手が忘れさせてくれない」
という気持ちは、おそらくこれが正しいのだろうなぁと感じた。
作品中でも死んだ妻の母(チッチにとっては義母、カケルのおばあちゃん)が「いつまでも死んだ娘にとらわれないで」とか「昔は忘れて前に進んで」とかドラマでありそうなセリフを言いますが、そういうことじゃなくて、生きてようが死んでようが妻は妻みたいな感覚を垣間見てなるほどと思った。実際別に操を立てるとか、子供に遠慮するとかそんな殊勝な事ではないんだろうなぁ。

大人の恋愛模様も好きです。怖がっているわけではないが焦る必要もないのでこれといって進まない、大人同士の話ですね。
日常系に見せかけて終盤にはきちんとしたクライマックスがあるところも読み応えがあります。素晴らしい作品です。



読み返しや、年月が経つことにつれて、
ほんと感想って変わりますな!

前回は義母がチッチにお見合いの話をいっぱいもってくるのも
「自分の娘が死んだのに、チッチに気を使ってくれてるんだなぁ」
と思ったけど、今回は
ウザくてウザくてしょーがなかった。
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恋愛ごとってそんな単純じゃねーだろ!

どんなに相手がいい人でも、いい条件でも
自分が好きで、相手も自分を好きでなければ意味がない。
さらにチッチの場合は子持ちですから、カケルがその人を好きで、その人もカケルを好きでなければという二段構え。
「カケルのために」とか言うけれど、家族が変わる・生活が変わるというのは人生を変えるほど大きな出来事なわけで、それだったら金払って家政婦さんに来てもらったほうがよっぽど平穏。
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おばさんの世話焼きシステムがどこから登場しているのかさっぱりわからない。
私もいずれあぁなるのか…!?えぇー…!?



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