宿屋めぐり/町田康

2016/07/29 07:05
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またしても町田康。
しかし今回は今まで読んできたものとは毛色が違った。なんとファンタジー。こんなもの書かれるんですね。実に引き出し多い。

つーても魔法とかゴーストとかそんなんじゃありません。比較的文明は遅れてて江戸時代のような(と私は想像したんですが)場所で、ここが実に人間くさい。
悪意がゴロゴロしてるもんだから主人公がすぐ騙される。すぐ盗まれる。すぐ一人になる。
この主人公がもともと現世でもろくでもないやつで、もちろんそんな性格は場所が変わったからといって真人間になるわけじゃありません。一応刀を奉納しに行くという目的はあるものの、ちょっとおもしろいことがあるとすぐ寄り道。そもそもその刀もかなり速い段階で盗まれている。
すぐ調子に乗る。すぐ威張る。すぐ甘い言葉に乗っかかる。ちょっと大金が入ると周りにいいかっこしたくておごったりなんだり。すぐ反省を忘れる。そのくせ報復だけはしっかりする。
人間誰しもこういう部分ってあると思います。私は見につまされた…。

とはいえこの主人公のクズっぷり、責められないんだよな~。
悪意というものは実にうまく心弱っているところに優しい言葉で入り込むのです。この状況でこんなこと言われたら信じちゃうよなぁという状況もかなり多い。私もおんなじように騙される側だなぁ。

人生とはかくも生きにくいもの。変わらない町田康節です。

これも2回目からじゃないとほんとの意図は分かりそうにないな~。
とりあえずざっと流した1回目。そのうちまた読もうと思います。



それにしてもこの本、
厚すぎ。
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約4.5cmって。
先生もよくこんだけ書いたもんだな。


書く方も書く方だが、私はひるまず読むぞ。
厚みなど別段どうということではない。
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先生が書かれたら読む。それが読書家の使命であるかと。



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