告白/町田康

2016/06/06 09:38
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先日「きれぎれ」を読んで遅ればせながら町田康作品に衝撃を受けたので、盛大に重量あるやつを読みたいと思い手にとったのがこれです。本編の厚み3cm(表紙含まず)

これがめちゃめちゃ大当たり
ほんとに面白くて、久々に夜更かしして読んだりして身を崩すほどの作品だった。

時代は安政。熊太郎という一人の無頼者がいた。飲む打つ買うのすべてを網羅し誰も手がつけられない。
熊太郎も子供の自分から無頼だったわけではない。子供の頃は何かにつけてあれこれとできた。何かにつけて両親が「すごい」「偉い」と褒め称えるもので自分でも得意になっていた。
ところが一歩外の世界に出ると子供同士であっても自分より上手に独楽を回すものが大勢いる。できるどころか自分は皆の中で誰よりも何もできない人間であった。

とまぁ、ここまでが冒頭の3ページ。
熊太郎のどのように育ちどのように考えなぜ無頼になりどういう末路へとなるのか。その様子が実に面白い。やめられなくなる。

この熊太郎のやることなすこと「バカだなぁ」と思う反面、不器用な生き方にはとても身につまされる。
思ったことがうまく言葉にできない。人と仲良くしたいのにできない。そういうのって誰にでもどこかしらあるのでは。

そしてこの本で大事なことはもう一つ、
人間は後ろめたいことがあるとヤケクソな人生になる。
これはわかるようで分からないし知っているようで知らない。熊太郎の心持ちが常にグラグラしているのは少年期の大きな事件によるもので、その一つの事件が一生ついてまわる。想像を絶します。
『人間はいつでもやり直しができる』なんてよくテレビで言いますが、このブログでは何度も提唱しているように
ものによっては1度の失敗で全てが終わる。
人生ってのは一事が万事みたいです。



それにしてもこの町田康という小説家、
文才が圧倒的。

語彙の多さや読みやすい句読点はもちろんのこと文政の舞台設定なのに「マジで」とか入れちゃうセンス。素晴らしすぎて打ちのめされる。もはやこの人が小説家なのではなく、小説家という仕事はこの人のために存在していたのかと思うほど。

あまりの才能に小説家でもなんでもない私ですら嫉妬で狂いそうになり、
ベッドでドタンバタン
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私の仕事には文章力一切必要ないんですが。



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