沈黙の町で/奥田英朗

2016/05/11 09:46
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奥田先生の作品でこれ読んだことないな~と何気に手にとったら
すごい本だった
面白すぎて一気に読んだ。久々に仕事サボってでも続きが読みたくなるほどの作品だった。

概要としては、小さな町で中学生の男の子が死んだことから始まる。この子の死を中心にあらゆる人の思惑が入り組んでいく顛末。

”よくありそうな話”と思われそうだけど、各キャラクターの心理描写がリアルすぎてすごい
警察は典型的ないじめの青写真を描き、
学校はとにかく穏便にすましたい一心、
遺族は子供の死を盾にして感情はどんどん抑えられなくなり、
加害者とされた親の子供は自分のことだけを心配し、
保護者たちは中学生はまだ子供なのだからと必死にかばい、
中学生たちはどこまでやれば危なくてどこまでなら大人たちにバレないかということを実によくわかっている。

これだけだと勝手な奴らばっかりだなぁと思いそうだけど、
これが真実。
どのキャラクターの立場にも自分がなる可能性がありそうで、そしたらこういうふうに考えるなぁと納得しかない。それが何より恐ろしい。
ことに見ものだったのはいわゆるいじめ加害者として捕まった4人のうち、二人は14歳だったので逮捕になったが、残り二人は誕生日がきていなくて13歳だったので児童相談所に送られたときの各々の母親の対応。これは複雑な話ですよ。同じことをしていても誕生日がきたかきていないかで対応が全く違うが、法律である以上どこかで線は引かなければいけないわけで。


とにかく思うのは、世間でも事件が起きてAさんがBさんを殺したと報道がされるとAさんはひどい人でBさんはかわいそう、人物像も優しい人だったと評されるが、実際にはもっと多面的なことがほとんど。Bさんは他の人には優しくてもAさんだけは冷たかったかもしれないし、Aさんだって一つのきっかけだけで事件を起こすということはまずなくて、いろんなことが重なりあってのこの結末であるかもしれないということ。
この小説でも、亡くなった中学生の男の子を含めて
同情できる人が一人もいない。
人間ってほんと、自分が一番大事
当たり前だけど、改めるとゾッとする事実。

一人の作家がこれほど立場を変えた意見を出せるという事実が本当にすごいと思った。これは奥田先生の空中ブランコに続く代表作になるでしょう!
オススメというには重たすぎる本ですが、素晴らしい出来の作品です。



昨日は仕事でちょう凡ミス。ここんとこギリギリのスケジュールでやってたのにさらに自分で仕事増やした。2千snt。

唯一の救いはクライアントに言われる前に自分で気づいたので間髪入れずに対応できたこと。
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や、まぁ、良くはないんだけど…。せめてそう思っていたい。

今日は取り急ぎバタバタと対応します。バタバタ。



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No title

奥田英朗は久しく読んでなかったんですが、これは「オリンピックの身代金」レベルに読み応えのありそうな作品ですね。
今のところ自分の中では奥田作品(硬)の頂点が「オリンピックの身代金」で、(軟)の頂点が「ララピポ」であります。
そういえば「おそ松さん」の「実松さん」を見て奥田作品「邪魔」の刑事さんを思い出しました。
刑事さんの一人芝居は読んでて恐悲しくなりましたが、「実松さん」の場合は一人芝居オチよりも現実に同じ顔の中年男が6人居た方が恐いのではないか?と、思いました



レス*れくと森本さん

これ是非読んでもらいたいです!
私も今まで奥田英朗(硬)は「オリンピックの身代金」でしたが、今回完全に塗り替えられました。(ちなみにな(軟)はやっぱりまだ「空中ブランコ」だな~)
一つの事件に対して実に多面的な意見が飛び交って、悲しいくらいリアルです。れくとさんなら私よりももっと色々感じられると思います。

気づけば私「無理」は読んだんですが「邪魔」はまだでした(タイトルは知ってた)近々読みます。
「実松さん」めっちゃ怖かったですね…おそ松は全体的に3回は見返してるんですがこれだけは1回でやめてます;顔がリアルなのに、声は一緒なのは笑いましたがw



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