夜会服/三島由紀夫

2015/03/12 07:52
夜会服 (角川文庫)夜会服 (角川文庫)
(2009/10/07)
三島 由紀夫

商品詳細を見る

先日青い花第4巻の課題図書として鹿鳴館を読んだのがおーもしろくておーもしろくて。再び三島ワールドを味わうべく本棚の奥から引っ張り出してきたのがこちら。

戦後の上流階級で生きる絢子の結婚にまつわる話。
乗馬、外国人とのパーティ、お見合い、ドライブ、新居のマンション。
どれもこれもあこがれる優雅な世界。
また婚約者の俊男が背が高くてハンサムで優しいときたもんだ。主人公の友人たちのやっかみなども画かれているがそういうやっかみがまた絢子がいい結婚をしたことを裏付けるわけだ。
そういう女性の見栄や当時の結婚観などを表す心理描写が三島氏はとてもうまいと思う。単なるリスペクトでもないということも伝わるがww

もちろんイケメンと結婚してハッピーだという話ではない。
最初から感じる滝川家のおどろおどろしい雰囲気。
結婚というのは家と家とのつながりであるのは現代でも変わらない。やはりうまくことを進めるには相手本人よりもその家族、特に母親と気が合うかどうかが大切だ(相手とはそもそも好き合っているのだからうまくいくべきなのだ)
今でこそモンスターペアレントなんて一言で片付けられるが、モンスターだろうがなんだろうか付き合っていかなきゃいけないのが結婚。
絢子はでしゃばらないタイプだったし、何よりも俊男が賢い男性だったのが本当に救われた。

ところで、このストーリーの中で新婚旅行でハワイに行くシーンがある。
当時流行りだったんですね。今は新婚どころかちょっとの休暇に~なんて行く場所ですが(新婚旅行ならモルディブやモーリシャスなど高級リゾートが流行りでしょうか)当時はかなり流行の最先端だったのではないでしょうか。
思いのほかハワイのことが書かれていて、ロイヤルハワイアンホテル(現ロイヤルハワイアンラグジュアリー)やヌアヌ・パリなど実在ネームも登場するのでハワイ好きの私としてはにんまり。


こちらも思ってた以上に面白くてやめられなくなりました。
三島ワールド、改めてハマりそう。



おそらく多くの人が通る道だと思うのだけど私が三島作品を読んでいたのは主に中学生~高校生の時。
その頃は重くのしかかる三島世界にほんとに心がぐらついて陰の方向にひっぱられてしまい、読み終わった後どんよりとした気持ちが晴れずに今も昔も読書は娯楽だがモットーの私は「この人は合わない」ともっぱら避けるようになってしまっていた。
私にも他人に影響をうけやすい時代があったんです。

しかし年月がたって多少のことでは他人に影響されたり自分の信念がぶれないような心持になり、晩年の三島とも年齢が近くなってくると
昔とは全く別な気持ちで読める。
作品として、戦後の時代背景としてきちんと楽しめる。
大人になるもの悪くない。
AM7U4CIP.jpg
その分頑固になったって気もするが。

昔読んだ本を今読み返す企画、いいかも。



← 青い花 5巻 | Home | 相棒13 →



Comment Post


Name:
Subject:
Mail:
URL:

Pass:
Secret:管理者にだけ表示を許可する

Trackback

Trackback URL:
 Home