火車/宮部みゆき

2015/04/30 07:07
火車 (新潮文庫)火車 (新潮文庫)
(1998/01/30)
宮部 みゆき

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宮部先生の、20年くらい前の作品。一度テレビで2時間ドラマ化しててそれを見てたんですが改めて読むことにしたら
面白い面白い。
平成4年の作品なのに全く色あせない、今なお推奨できる問題提起作品です。

訳あって休職中の刑事が親戚の男の逃げた婚約者を探す、というここまで書くとありがちの設定のように思われますが、この失踪した女性を調べていくうちに分かっていく事実がすごい。

クレジットカードや住宅ローン、みんな使ってますよね。特別なことではない、気軽なものですよね。
しかしそういう身近なところからあっという間にお金に振り回されることになる社会の落とし穴について刻々と記されています。ぞっとしました。人生が一歩ずれただけで行き着いてしまった人たちの様子が事細かに描写してあってショックでした。そしていろんなことが心に刻まれました。

お金だけじゃない、主人公の息子が子供同士のことであるトラブルが起きてしまったのですが、それもショックで。そのときの主人公を含めた周りの大人たちの対応には考えさせられました。
『なんで自分だけこんなつまらない思いをしなくちゃならないんだろうって思ったんだろう。あんまり悔しくてさ。そのことだけで頭がいっぱいだったんだよ』
ついつい他人が羨ましかったり他人と自分の境遇を比べてみじめな気持ちになったりすることって当然ある。その時いかに捻じ曲がった心を戻せるかで大きく人生って変わるんだなと思いました。
『何を思ったかじゃない、何をしたかが重要なんだ』
大事な言葉だなと思いました。そして本編にも繋がる。

たくさんのことを考えて、いろんな現実を知ります。
是非たくさんの人に読んでもらいたいです。お勧め作品です。
るもえブログはまだ続く。



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