記憶の中の殺人/内田康夫

2017/06/21 07:16
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最近重たい本を連続で読んだので、休憩読書の浅見光彦。
なんつーても浅見光彦は全ての話が
①地方に行く→②殺人事件が起きる→③美女と出会う→④犯人を言い当てた後東京に戻る
で構成されているからな!!状況や心情を読まなくていいんだ!

今回の場所は軽井沢。
軽井沢といえばもうピンとくる人もおおかろう、軽井沢のめんどくさい小説家先生というのが事件の発端。毎度トラブルメーカー。
事件事態は25~26年前に起きたことがきっかけで、浅見シリーズでは過去の因縁が追いかけてくるというのは珍しくないのだが、今回珍しかったのは幼少期の浅見光彦つまり光彦少年が関わっていた件。その時の記憶は恐怖によりすっぽりぬけているという若干ご都合主義ではあったが、浅見光彦本人が関わっているとなると感情に入れ方も違う。


だが、本当に驚いたのはここではなかった。
私は浅見光彦シリーズは上記にも記した通り適当に読んでいる。順番もめちゃくちゃだし、テレビでも見ているからどれを知っててどれを知っていないのか私自身にも分からない。だから抜けているものがたくさんあるわけだが
浅見光彦が実は4人兄弟だった件。
死んだ妹がいたのは知っていたので3人兄弟だと思ってたのだが、まさかの、さらにもうひとり妹がいた真実。これを知ってる人は相当の浅見フリーク。
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屋上の道化たち/島田荘司

2017/06/14 07:08
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やっつまった、久々にやっつまった。
面白すぎて3日で読んでしまった…
表紙を入れても3.3㎝もあるのに3日で…
その間かなりのものを投げ出した…
御手洗シリーズが面白すぎるのが悪い。
そう、御手洗潔です。『星籠の海』以来3年ぶりの新刊だそう(発行は2016年)
まぁ御手洗が登場するのは3.3cmの真ん中くらいなので、そこで初めて「あっこれ御手洗シリーズだったのか!」と気付く(御手洗潔にしては真ん中で登場するのはマシな方だが)

とある銀行の屋上から「絶対に自殺なんかしない」と言っていた4人が立て続けに転落死。
相変わらずの奇々怪々の事件を御手洗潔が科学的に理屈付けして説いてくれる。

もちろん今回も私の頭では推理しようとしても無駄ですよ。事実は(フィクションだが)想定を大幅に超えてくる。しかも今回は偶然の産物がたくさん重なったという事案もあるので「まさかこんな…!」と御手洗自身も驚くレベルの奇っ怪さ。
相変わらず1を効いたら百を知り他人も80くらいは分かっているという天才ゆえの傲慢さが鼻につくのがたまらない(笑)

詳しく語る必要もないでしょう。
島田荘司にハズレなし。
今回も読んでまったく損はないどころかおつりがくるどころかもう本の値段と中身より価値の方が高すぎるだろ!という密度の高い1冊です。やはりこの人は日本のミステリの最高峰に君臨している。
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夜は短し歩けよ乙女 銀幕編

2017/06/07 07:06
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先日見てきた映画『夜は短し歩けよ乙女』の来場者特典でもらったやつ。
実に7ページの小冊子で5分もあれば読み終えちゃうんだけど森見先生の書き下ろしだから読んだ本にカウントしてもいいよね?

久しぶりに丁寧でありながらもビクビクした先輩の心情に触れてかわいいやら情けないやら理解できるやらおかしいやら。たった7ページでも森見先生は森見節だなぁ。

タイトルが『「先輩」から「乙女」への手紙』とあるとおり先輩のラブレター。これを読んだら最近の学生はラインで告白が主流らしいけど、世代じゃない私ですらラブレターっていいなぁと思った。もらってみたいなんて図々しいことは言わぬ。書いてみたい。こんな奥ゆかしい気持ちは持っていないが。
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望郷の道(上)/北方謙三

2017/05/30 07:04
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前回読んだのが2010年このとき本当に面白くて大変感銘を受けたので文庫でこの度書い直し再び読む。

まず帯を見てほしいのだが
『全ての北方作品は、この小説を書くためにあった‼』
この手の煽り文句は額面通り受け取る人ももう少ないと思うのですが今回ばかりは
私もそう思う。
ほんとこれを読むと今までの銃とタバコと女のハードボイルドな世界はなんだったんだろうって思う。あのおじさんこんな引き出し持ってるのかよ!

初回に読んだ時はやはり九州の賭け場から始まり、正太が台湾へ渡りいかにして商売を成し遂げるかという怒濤ぶりにやはり注目が言ってたんだけど、二度目となると正太と瑠偉の家族の物語がとても目につく。離れ離れになった正太を類が追ってきて再会したシーンでは、泣いた。

戦前当時の社会情勢や世界の動き、台湾の生活事情などが実に細かく描写もされていてそのたびに感心する。あまりにもリアルに記されているものだからこの物語はフィクションなはずなのに伝記を読んでいるような気分にさせられて、途中ではっと我に返るほど。

それにしても、商才ていうのは正太のようなことをいうんだろうなぁ。時代を読み物価をさぐり人の心を軽んじず丁寧にしかし資金繰りは大胆に。経営というのはこういうものだということを見せつけられている。わーたしにゃむーりだぁー。
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ホテルローヤル

2017/04/12 07:03
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何気に手に取っただけだったので直木賞受賞作と帯で知る。そういやこんなタイトルのもあったな。

7本の短いヒューマンドラマが入っているのですが、その全てがラブホテル「ローヤル」に関係するもの。舞台とは言い難い。なぜなら
ホテルローヤルはすでに潰れいてるから。
この設定にはちょっとびっくりした。すでに廃墟になったラブホテルで一体どうやって話を展開するのか?と思ってたんだけど、なるほど作家先生は色々と考えつくものですね。
唯一『せんせぇ』という作品だけが明確にホテルローヤルと記されていないのだけれど、話の流れから行くとこの2人は当然…

『本日開店』とか『星をみていた』もかなり好きですが、一番最後に収録されてる『ギフト』これがすごい!
それまでは「面白くないこともないけど直木賞とるほどかなぁ?」と思ってたんだけど、この最後の一本で「なるほどこれは取るわ!」という意見に手のひら買えさせてもらった。これだけもう一度読み返そう。

娘がバカな男に入れ込んでしまったら、父親はもうどうしようもできないですよね。無理に別れさせようとしたらますます2人をドラマチックな錯覚に溺れさせるだけで。
「いつからこんな芝居じみた女になったんだろうって情けなくて泣きたくなった。
幸せにするなんて無責任な言葉どこで覚えたの。
幸せなんて過去形で語ってなんぼじゃないの」(一部)
というセリフには人の家庭のことなのにズシンと来たなぁ。

文章自体は密度も読み応えも低いのでかなり読みやすいけれど、設定はかなり興味深いものが多かった。
「いい作品だ!」とはまた違うニュアンスで面白い作品だった。
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